sub4に挑む日々 in NY

30代のへなちょこランナーyamakoが、無謀にもsub4に挑戦する日々 in NY

いぶすき菜の花マラソン完走記 ③ ゴールを目指してひた走る、人生のように。

こんにちは。レースから2日がたちだいぶ下半身のダメージも抜けてきました。今夜は夫と2人、日帰り天然温泉みうら湯に行き、ジェットバスで硬くなった足腰の筋肉を解しました。私は昨年から臀部の肉離れからの梨状筋症候群に悩まされていたため、お尻は特に念入りに。痛みが出なかったとはいえ、注意するに越したことはありません。お風呂で体を解した後は、三崎鮪中落ち漬け重870円也をアテに生ビールを飲む。はー、日本は最高です。1人あたり2500円の極楽、素晴らしい。

f:id:yamako26:20150113235512j:plain

さて、菜の花マラソンの続きを。坂おばさんの激励を後にし、ひた走りますが、まだまだ坂の連続。あまりのキツさに『なに、この坂…』とつい口から本音が。心の呟きのはずでしたが、声に出していたようで、それを耳にしたベテラン風男性ランナーから『がんばって!これを登ったら後はくだりですよ!』との励ましが。皆、もう優しいなぁ。。。でも、その後もくだりじゃなくやっぱり坂だった(笑)嘘つき!!


この辺りで気がついたのですが、脚が重い、いや足首から下、つまりはシューズが重いということに。今回私はBROOKSのトランセンドを履いていましたが、これが左右で約600g、前回のフルマラソンNYCMで履いたASICSのLady NewYorkが左右で約520gですから、確かに重い。たったの80gが徐々に効いて足首から下がかなりだるくなっています。昨年からの故障はだいぶ癒えたものの、また再発するのではないか、他を痛めるのではないかとの恐怖からクッション性が抜群のトランセンドを履いたのです。冷静になれば分かることですが、この大会は如何に坂を登り切るのかがキモなわけで、重たいシューズで挑むなんて逆効果、愚の骨頂。同じく足裏を痛めていたE氏もウルトラマラソン用の安定性重視、重たいシューズを履いており、ゴール後に失敗したと語っていました。だいたい私はこの正月に『弱虫ペダル』既刊37巻を読破し、クライマー(山登りする人)は軽いホイールを好む、軽いのが登りの肝(5巻参照)って巻島先輩が語ったの読んだばかり。陸上の例えまで出してくれていたのに、まったく役立てていない…これがこの大会の反省点その①です。

まあ、今更シューズを履き変えるわけにもいきません。ゴール迄このまま行くしかない。もう足首から下をちょん切りたい…

f:id:yamako26:20150113235543j:plain

※30km手前のつかの間のフラット。

遂に30kmを通過し、鰹節で有名な山川港に下る手前の高台から鹿児島湾を見渡せる絶景スポットを通過します。本当に息を飲むほど綺麗。この眺めを見るために30km走ってきたんだと思ったほどです。そしてそこでふとGARMINを確認した私はあることに気づいてしまったのです。

『もしかしてこのまま行けば、4時間半きれるのでは…』と。

確かに32km残り10kmの時点で3:22:16。6:30/km超で走っても間に合う‼︎ 人間を望みを抱くと強いもの、コースが山川湾周りに入り、updownがようやく終わったこともあり、ここから必死で走り始めます。まさに小出監督の著書『30km過ぎから1番速く走るマラソン』を実戦する走り!

本当にツライ、でも走る。頭の中ではあの曲がエンドレスリピートで巡り出します。そう、公式テーマソング『菜の花の街に』♪〜走る 走る 菜の花の中〜人生のように〜♪そうマラソンは人生。


残り10kmからAVE6:00/kmで快走を見せた私ですが、35km地点、日本最南端の有人駅山川駅を過ぎ、最後の登りを前に脚は止まってしまいます。そんなに上手くいくわけはないのです。目前に迫る長い長い坂に気持ちがぷつんと切れたのか、山川駅のエイドの給水で立ち止まったのがいけなかったのか、原因は分かりませんが、遂には歩いてしまった私…まだ頭の中では『菜の花の街に』が流れています。そして思いました。『もう走れないけど、ほんとに私の人生みたい、ちょっと上手くいったからって調子に乗って、でも最後は失速かぁ』と。まあ私らしいね、と思いながらも坂を何とか完歩。またふらふらと走り出したのです。ここで大体37km地点。

この坂を登りきったところに指宿医療センターがあり、たくさんの応援が出ていました。『ここのお医者さんや看護婦さんがたくさん走ってるのかな…』とぼんやり通り過ぎる私に、あるひと声が届きます。『これで坂はもうないよ!あと5km!』と。

『ホントに?ホントの本当に?今度は嘘じゃないよね?』

完走した今でも信じられませんが、また私の脚は動き始めたのです。ここから先は温泉街に入り、もうゴールの運動場まで一直線、しかもフラット。もう千切れるかというくらい脚を回します。あとで振り返るとゴール迄AVE6:00/kmで走っていました。応援の数も増えていきます。沿道から爆音で『let it go』が流れてくる。うん、本当にありのままの姿を晒して必死に走ってます。また応援の定番『負けないで』の生バンド&伴奏も聞こえてくる。うん、今度は負けない、歩かない。

運動場に入り、時間はたぶんぎりぎり、でもGARMINを見る余裕もありません。設置された電光掲示板は4:31:00を既に過ぎていました。私は先頭からだいぶ遅れてスタートしたから、まだ間に合う!最後の直線はもう走れないけど、この時できる限りの全力疾走。菜の花色のゴールゲートをくぐってゴール‼︎ 手元のGARMINは4:30をまだ刻んでいませんでした。サブ4.5 !やった!

f:id:yamako26:20150113235646j:plain

続きます。


長々と読んでいただいてありがとうございます。あとはゴール後のことなどを。


それでは。