NYC HALF完走記 ③ I'm in!!
こんにちは。
ハーフのレースなのに、書き出すと意外にいろいろ思い出すものですね。長文を読んでいただいてありがとうございます。
それではNYC HALF完走記③をどうぞ。
◆6-9mile(約15km地点まで)
7th aveに入ると道幅がかなり広がり、柵越しの観客とかなりの距離がありました。が、E子さんのオーラにふらふらと引き寄せられる私。
普段はランニングスタイルですが、今日は私服でさらにオーラを放っていましたから、彼女の姿はすぐに発見できました。
「かなぽん!かなぽん!」
※E子さんは年下の私を何故か“かなぽん”と呼び親しんでくれています。そんなあだ名、生まれて初めてだよ…
軽くハグする予定が、E子さんにぐわしっと、ホールドされる“かなぽん”こと私。
すでにレースの約半分を走ってきて、汗でぐちゃぐちゃなんですよ?
やめてー!だめー!その高そうなダウン、汚れちゃう‼︎
そう彼女、イタリアとかに住んでいたからなのか、やたらと情熱的なのです。
時間にして10秒はハグされていたでしょうか、前日ボストンクオリファイゲットのランナー、かつ美女のパワー注入で、勢いよくTimes Squareへ飛び出して行きます。
キラキラのネオンが近づいてくるにつれて高揚感も高まります。しかもここから緩やかな下り!
※走りながら撮ったのでブレブレ。
そして粋なことに、対向車線では、NYRRのKids Raceが同時に開催されていて、ちびっこたちが私たちに向かって勢いよく駆けてきます。
※お揃いのニット帽が可愛い!なんて贅沢な駆けっこ!
ちびっこたちのように、Times Squareの中心に到達し、私も心は軽やか、すでに踊っています。(身は重たい)
周りもさすがはアメリカ人、両手を突き上げ歓声をあげながら、Times Squareを駆け抜けていきます。
私の前をゆくお姉さんなどはもうノリノリ。踊ってるんだか、走ってるんだか、スキップしてるんだか、全てが混ざったようなハイテンションな動き!
警備にあたっているポリスにも、自ら近寄り「yeah〜!」と強引にハイタッチ。
私もだいぶテンションが上がってきたので、便乗してポリスとハイタッチ!普段なら絶対やりませんよ(笑)
次々に近寄ってくるノリノリなランナーたちにポリスも苦笑いでしたが、最後の方は彼らも「yeah〜!」とか叫び出していました(笑)ああ、楽しい!
流れていく高層ビルと巨大なビジョン、煌びやかなネオン広告。
I'm in ! 私、NYCを走っている!
強烈なこの高揚感。いつもはクールすぎるこの街と一体になる感覚。これはNYCMでも味わう気持ちです。
あー、やっぱりいいな。NYに暮らしていてよかった。私、この街が本当に好きだわ…
完走記①でも散々書いたように、今年は自信はないし不安だしで「NYC HALFはもういいかな…今年で最後にしよう」と正直思っていたのです。
でも前言撤回。来年もチャンスがあるなら走ります!
そして楽しい時はあっという間。本当に夢のような7th ave Times Squareは42stでおしまい、後半戦のHudson River Sideへとレースはステージを移します。
川沿いに出る前、後半戦に向けてパワージェルを1本補給しておきます。ここからは1本道、あとは飛ばすのみ。
川沿いは単調になりがち…かと思いきや、今年はドラム隊パフォーマンスの応援がありました。打楽器の音ってなんだか走りに力を与えてくれます!
そして8mileでは、もう1人私を待っていてくれた人が!
このブログにもたびたび登場している私の尊敬するKさん!一生懸命カウベルを鳴らしてランナーに声を掛けていました。
E子さんと同様、Kさんも昨日にボストンクオリファイを成し遂げたばかり。前夜DCから戻ったばかりというのに応援に来てくれるなんて…。うう、ありがたいよ〜(涙)
Kさんを見つけた嬉しさで、
「ぼ、ボストンが、ボストン…お、おめでとうございます」としどろもどろな私に、Kさん何時もの如く、ゲキを入れてきます。
「さあ、走れー!ここからだよ!飛ばせ!いけー!yamako!」
Kさんのゲキを背に一路、ウォールストリートを目指します。はるか彼方、前方にはワールドトレードセンタービル!さあ、そこまで行くよ!
記録:15km/9.3mile 1:23:39, pace:8:53/mile
※おお!Times Square効果かペースアップ!
◆9-13mile
快調にフラットな道を飛ばして行きます。Kさんに会ったあたり、レース中最高に調子がよくて、スピードが出ていたように記憶しています。(実際、後でGARMINを見てもそうでした)
それからしばらくして、膝に違和感を感じ始めました。外側にびりっと。
あー、やっぱりきた…
それでもここ最近の最高速度で、かつ最長距離を走れてきたのですから良い方に予想外でした。
ここまで走れたのはjoanの腕が素晴らしいのと、この楽しいレースのおかげでしょう。あ、テーピングも効いたのかな。
あと5km程度「なんとかもつ、大丈夫」と自分に言い聞かせて、気持ちを落ち着かせます。
レース中、慌てても良いことはなにもありません。
ペースを5:30/kmでキープ、最後までキープする!
意識して、痛みが出てきた右足を前に前に動かし続けます。
他に痛いとこもないし、呼吸もまだ平気。脚もまだまだ残ってる…ダメなのは膝だけ。4月のNJ前にどれだけ回復出来るかだよね…
考え事が出来る余裕すらありました(膝以外)
しかし、知らず知らずに少しずつペースが落ちたのか、私のすぐ後ろcorral13から15秒〜30秒遅れでスタートした1:55のペーサーに残り3mile付近で追いつかれたのです。
いや、私が落ちたのではなく、ペーサーが後半から急にあげたのでしょう。こちらのペーサーはかなりいい加減な人が多いのです。前半ふらふらして、後半に「やばい、間に合わない」となるとがーっと飛ばす(笑)
ただ、この人に最後までついて行けば、私もハーフのPR1:56:04は切れるはず。ここはついて行かねば。
痛みのある右脚を強引に持ち上げるようにして走ります。
たったか、たったか、このペーサーはリズムよく走るわ〜
2mileほど食らいついたものの、これ以上の無茶は膝が危ないと判断して先に行かせます。
もう後は時計は見ない、そして無心でただ脚を前に出し続けます。
最後1mile、NYC HALFの終盤でいやらしいことに、800m程度のトンネルがあります。最後の最後に暗闇…
トンネルを抜けると、右手にBrooklyn Brideが見えた!400m、200m…最後のカーブを曲がり、ゴールが見えた辺りで、ついに痺れが右脚に走ります。
でも、もうおしまいだから。。。
声援と歓喜の声が入り混じるゴールゲートをくぐって、FINISH !
必死でラストスパートをして倒れこむようにゴールした昨年とは対照的にただただ安堵のゴールでした。
終わった…よかった、走りきれたじゃない、私。
※やり方が商業的すぎるとかいわれていますが、毎度毎度現場に下りてきて、ランナーを労う姿勢は素晴らしいと思う。NYRR CEOのMARY。
記録:20km/9.4mile 1:51:02, pace:8:51/m
halfmarathon 1:57:04, pace:8:56/m
なんやかんやで今年も楽しいレースでした!素晴らしかった!!
これでNYC HALFの完走記はおしまいです。長文にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは。
☆おまけ
ゴールしてすぐのメディカルに駆け込み、氷をいただき、下の写真のマダムに優しく労わってもらいました。