自己流メトロポリタン美術館の歩き方☆yamako、ナンパされる
こんにちは。
今日のニューヨークはまるで初夏の陽気、気温も17℃辺りまで上がり、一気に季節が進んだようでした。
今日は午後がフリーだったので、久々にメトロポリタン美術館を訪れています。
世界最大級の美術館であるメトロポリタン美術館。私は渡米した年から会員、memberになっています。
member shipにはいくつかコースがあり、私が申し込んでいるのは、最もオーソドックスなプランで年間$80。(一番ゴージャスなカテゴリーで$600、寄付のカテゴリーでは$2,500などあります)
通常、入館料として$25が設定されていますが(建前として入館料は任意、1セントでもOK)、メンバーになると1年間入館し放題になるので、3回〜4回訪れるのなら元がとれる計算です。
その他にも特別展示の案内をもらえたり、館内のメンバーonlyのレストランが使えたりといろいろ優遇されるのです。
まあ、なぜmemberになったかといえば、あまりに巨大な美術館ですので、1回で全てを見るのは難しく、時間を見つけて、ちょこちょこ訪問しようと考えたからなのでした。
昨年いっぱい、エントランス正面広場は工事中でしたが、綺麗に生まれ変わりました。
事実、このメンバーカードを作ってからは、こまめにメトロポリタンに行くようになり、例えば特別展示のために、例えばジャパンウィングだけを見に…のような付き合い方が出来るようになりました。
メトロポリタンでは、毎年クリスマス前に素晴らしいツリーがお目見えするのですが、そのツリーだけを見にだけ来館することもあります。
きっと皆それぞれの楽しみ方があるでしょう。そこで、今日は自己流メトロポリタンの歩き方を御紹介しようと思います。
ちなみに今日は、せっかくメトロポリタン美術館まで行くんだから…とその後、セントラルパークを走れるようにジャージ姿で来館したという…。
もはやいろいろ大事なものを無くしてしまった感が溢れる格好。最近の私は本当に人目を気にしてないというか、ひどいです(笑)
①分からないことはすぐに聞く
さて、こちらはエントランスロビーです。こちらには各国語を話すボランティアスタッフがいますので、不明なこと、自分の目当てのものがどちらかわからない場合は速攻で聞きましょう。
日本人スタッフはだいたい常駐していますから英語が話せなくてもOK。
知人から聞いたことがありますが(本当かどうか分かりません)、この美術館ボランティアは、駐在妻のステータスなんだとか。
確かに綺麗な仕事だし、美術的教養とある程度の語学力が必要ですものね。でも、今日のご婦人は駐在妻ではなく、どちらかといえば、NYに永住を決めている方のようでした。
私も英語がもう少しなんとかなれば、やってみたいと思いましたが、ご婦人が日本人ではないツーリストに流暢な英語で、さらには美術館のことではない質問に答えていたのを聞いて、まだまだ無理だと悟ったのでした(笑)
スタッフの方は大変にレベルが高いので、質問をするとそれに応えてくれるだけでなく、プラスαの情報を教えてくれたりします。
例えば今こんな特別展示をしてますよ、とか、2:00から日本語の印象派ツアーがありますよ、とか。
美術館、及びアートが好きで務めている(だろう)方たちなので、同じくアートを求める者には親切なのです。
②ガイドツアーに参加してみる
こちらの美術館では、各国語のガイドツアーがあります。
特に日本人来館者は多いのか、ガイドツアーは火曜日〜金曜日の毎日行われています。木曜日だけは印象派に絞ったツアーで午後2:00〜。その他はハイライトツアーで午前11:15〜。(変更になる場合がありますので、ご自分でご確認ください)
オーディオガイドを借りるという手もありますが、このガイドツアーの利点は、巨大な美術館を効率良く見る点にあります。
初めて館内に入ると間違いなく迷いますから。意外に複雑な構造になっています。
ちなみに昨日は手話でのガイドツアーを見かけました。私が知らないだけで、色々な企画があるのでしょうね。
③本日のお目当てを決めてから行く
先ほども書きましたが、あまりに巨大な美術館「メトロポリタンに時間をとって、1日中過ごすからいいよ」という方もいるくらいです。
それでも館内は想像以上に広く、最後は疲れ果て、何が何だか分からなくなるというオチ…(うちの兄談)
順路通りに見て行くと、冒頭の古代エジプトで午前中が終わってしまうようなボリュームです。
ハイライトツアーでもいいですし、好きなジャンルに絞ると満足度の高い鑑賞が出来ると思います。
時間が限られる場合、西洋絵画や印象派あたりのコーナーから入ることが一般的でしょうか。それも自分の好きな画家や年代や国を絞って、先ほどのインフォメーションスタッフなどに部屋番号を聞いておくとよいと思います。
ちなみに私が好きで良く足を運ぶエリアは、日本、アメリカ、中央アジアのWing。
昨日は、アジア250選という企画をしていたからなのか、琳派の大作2点が出ていました。ラッキー!
鈴木 其一『朝顔図屏風』
毎年夏になると展示されるけれど、去年は出なくてがっかりしたのよね…
尾形光琳 『八つ橋図屏風』
もう一枚の八つ橋『燕子花図屏風』と違いこちらは橋が描かれている。
そして中央アジアのWing。
私のお気に入りの織物の部屋。
この模様(上)が自分の手持の帯と同じデザインだと母が来たとき騒いでいました。
このタイルのブルーがとても好き。
このWingでは、私の大好きなタイルや織物が展示されていて、詳しくないのですが、よく1時間くらいぽけーっと座って見ています。なにより空いていて静かです。
まあ、あまり他人には理解されない(笑)過去、共感してくれたのは母親くらいかな。
余談ですが、少女時代から愛読している篠原千絵さん(“天は赤い河のほとり”や“闇のパープルアイ”で著名)、今連載している作品の舞台がオスマントルコと聞いたときは、早速購入、読破した後、こちらで長いこと浸っておりました(笑)
その他は昨日は行きませんでしたが、TiffanyのステンドグラスがあるAmerican Wingもガラス張りのテラスで気持ち良く、良く足を運ぶエリアです。
そして昨日は特別展でカラバッジョの『Painting Music in the Age of Caravaggio』が開催されていましたので、そちらもちらりと覗いてきました。
カラバッジョは上記が1枚だけでしたが、同時に描かれている楽器リュートが展示されていて、そちらで奏でた音楽が流れていました。
そしてこちらで、私、ナンパ(笑)されまして。こんなジャージ姿のときに声掛けてくるなんて、まったくどうかしてます。
私が職員に「カラバッジョの特別展は何処ですか?」と尋ねているのを見て「あ、自分も今から行こうとしてる」と思ったとか。
いろいろ話しかけてきましたが「意外に知識あるな、この人…」と思ったので、暫し自由に話させておいたのですが、日本人より日本画に詳しく、先ほどの八つ橋図屏風の元ネタが伊勢物語ということも知っていました。
聞いていると、ドイツ系アメリカ人で、一応アーティストとのこと。
特別展も勝手に簡単な英語に直して解説してくれ、おかげでよーく内容が分かりました。ラッキー、私(笑)
そして「来週、この古い楽器を実際に演奏するコンサートがこの美術館であるから、一緒にどうか」と。さらに「君はなかなか面白い女の子だから、今から飲みにいかない?」とナンパされました。
私は子供の頃から「知らない人には付いて行ってはいけません」の教えを頑なに守っているので、付いていくわけなどなく、
「ごめんね。私、これからセントラルパークを走らなきゃいけないから」
とお断りしておきました。
ランニング姿だったので、説得力抜群で納得していた様子。が、「そうなのか、だからその格好なのか!若いのにまるで着飾らない人だと思ってたんだよね」と。
更に「君、却って目立ってたよ」と。
もう、いい歳してジャージ(ランニングスタイル)で美術館に行くのはやめた方がよいでしょうか…?
そして美術館を出て、セントラルパークを走ります。
長袖長ズボンでは暑いくらいで、ちらほらノースリーブの人も見かけました。これからセントラルパークは芽吹いて、どんどん美しくなります。1番よい季節に向かって。
美術館については、ほかにも好きな場所が色々ありますので、また機会を見て書いてみたいと思います。
それでは。