ドレスデン旅行記②買えはしないがうっとりため息…yamako、高級陶磁器のマイセンを訪ねるの巻。
こんにちは。
昨夜、無事にニューヨークの自宅に戻りました。素敵な建築の並びたつドレスデンから雑多なNYCへ(笑)それでも帰ってきたなぁ、と安心しますね。
さて、旅行中なのにハイペース更新です。飛行機の待ち時間や時差ぼけでうまく眠れない夜に書いていたもので。
あとは、本当に楽しくて大満足だった気持ちを忘れないうちに残しておきたかったんですよ。。。
それでは、今日はドレスデン旅行記②を。
ドレスデンの2日目は、40分ほど在来線のSバーンに乗り、マイセンを訪れています。乗車賃は6ユーロ程で、電車は30分刻み(00と30分に発車)でドレスデン中央駅から出ています。
さて、マイセンの駅からですが、色々な方のブログを読んでいると、皆さん、結構歩いてらっしゃる。私はもう寒くて長く歩くのは嫌だったため、バスを選択しました。
駅を出て右手側に行くとバスターミナルがあり、Cに乗るとマイセンのファクトリーミュージアムに停まります。
ただね、ドレスデンに着いたあたりから何となく感じていたのですが…、ますます英語が通じない。
ベルリン→通じる、ドレスデン→段々あやしい、マイセン→通じず(観光絡みの方は一応話せます)
バスチケットの券売機もドイツ語表記のみでさっぱり理解出来ず。更には壊れていた(笑)
壊れたマシーンにお金を入れようとする私に、地元のマダムがドイツ語で何やら話しかけてくれますが…。分からない…。
英語が話せますか?と尋ねるものの、全く話せない様子でドイツ語で一生懸命教えようとしてくれます。
そうですよね…マイセンって、いうなれば、地方の小さな町。私の故郷、袋井みたいなものです。袋井の初老の夫人に英語で話しかけても応対できる人はほとんどいないでしょう。そりゃ無茶ですよ。
その後も、マダムに地元のおじさままでも加わり、本当に親切に教えてくださいました。ドイツ語で(笑)何となく切符はバスでも買えることが分かり、優しいマダムは、横にお座りなさい、と席を勧めてくれます。他の席もがら空きなのですが、二人掛けのシートにマダムと二人、ぎゅうぎゅうになって座る。そしてそれがとても暖かい(笑)
マイセンのファクトリーミュージアムに着き、マダムとはこちらでお別れです。唯一、話せるドイツ語で「ダンケシェーン」とお礼を伝え、バスを降りました。
全く少しはドイツ語を勉強していけばよかったです。英語で通せるとはいっても、やっぱり最低限は話せないと失礼だな、と痛く反省しております。
そして2020年。東京でオリンピックがありますが、どれくらいの日本人が世界からのお客様に対応できるのかと、私がしてもどうにもならない心配をするのでした。(その時日本にいたら、下手な英語を駆使してボランティアをしようと思います)
さて、マイセンのファクトリーミュージアムです。
歴代のマイセン作品を所蔵公開するミュージアムと職人たちのデモンストレーションを見学できるworkshopの二構成になっています。
私はちょうど前のworkshopが出発してしまったばかりでしたので、先にミュージアムから見学しました。
※すっかりXmas仕様の館内
※年代により少しずつデザインが違うマイセンのマーク
絢爛豪華な調度物の数々。もはや美術品というのがふさわしい。
マイセンは言わずと知られた高級陶磁器メーカーで、ヨーロッパで初めて白磁の製作に成功した歴史あるブランド。皆さん、ご存知のことでしょう。
東洋から大金を持ってもたらされた陶磁器が当時のヨーロッパで大変ブームとなり、そちらに目をつけたアウグスト2世により、マイセンの地での生産が始まります。
その後、この白磁の生産に初めて成功した錬金術師のレドガーは、その秘密保持のためにアルブデヒド城に幽閉されることになります。
文字通り、“金”を産み出す陶磁器の製作する技術を開発したレドガーこそ、真の“錬金術師”。
こののち、レドガーは城へ幽閉され続け、37歳の若さで亡くなっています。一説には城外に恋人がおり、彼女に会えない孤独から狂死したとも言われています。
このホラー的ストーリーが、マイセンへの興味を抱いたきっかけでした。
実際にマイセンが好みかどうか聞かれたとしたら、それはNO(笑)
そもそも高くて手が出ませんし、私の作る雑多な料理にはどう考えても合いませんから。素敵だとは思いますが、今は実用品の方がいいな。(負け惜しみ入ってますw)
さて、展示のうち、面白かったのが各国向けに製作された商品たち。お国柄が出ています。
☆イギリスのパグ、可愛い♥︎
☆フランス、ルイ16世の愛妾ポンパドール夫人の犬たち。
☆トルコ
☆東アジア(日本、台湾など)向け、干支シリーズ
このシリーズ、大人気だとか。確かに可愛い。欲しい(笑)
マイセンが作る東洋人形。うーむ、なんだかお顔がアジア人ではなくヨーロピアンで違和感(笑)なんとわなしに笑いを誘います。
それにしても成形も絵付けも細かいですね。これはworkshopで職人さんの技をみるのが楽しみ。
私の参加したのは10:30からのworkshop。ツアーは30分毎にあるようで所要時間20〜30分。予約は特にいりません。
ヘッドホンを渡されているのがドイツ語圏外の人と分かります。約1/3くらいかな。
そしてやはり参加者は圧倒的に裕福そうな(笑)年配者ばかり。マイセンにとっての上客でしょう。
そして私のグループには居ませんでしたが、日本人ツアーがひっきりなしに訪れていました。定番のツアーコースなのかな。マイセンってやっぱり日本でも憧れの陶器なんですね。
簡単なマイセンの歩みについてのビデオを視聴して、実際の行程を見学します。
もう陶土を作るところからして異様に手間暇が掛かっており、全てが門外不出。
行程のひとつひとつの説明を受けるたび、私の頭のなかでチャリン♪と課金の音がします(笑)
成形ののち1度素焼きをしたものに絵付をするそうで、焼くと16%縮むことや、あのマイセンブルーのもとがコバルトブルーであることなどがよく分かりました。
成形する職人も絵付けする職人も迷いのない鮮やかな手つきです。全てを1人が作り上げるのではなく、完璧な分業制で、一人一人がその行程のプロフェッショナル。
物事を極める人に憧れている私は、次に生まれ変わるならば、こんな美しいものを産み出す人間になりたい、とうっとり思うのでした。(が、今のままでは8回くらい転生しても無理でしょう)
全ての行程を見学し終わる頃には、高い高いと思っていたマイセンが妥当な値段なのだとすっかり考えが改められました。
workshop見学後、出口すぐにはアウトレットショップが。
これはなかなか商売上手です(笑)
例えば、一番メジャーなブルーオニオンの珈琲カップ。アウトレット価格で150ユーロ程度でしたが、正価は3万弱でしょう。それが何だか全くお得に思えてくるから、不思議なマジックです。
それでも絵が付けられているものは、小さな小皿でも数十ユーロ。唯一、実用的で買えそうな値段…と思えた『波の戯れ』シリーズもありましたが、1枚だけあっても変ですし、何より今の自分には分不相応と諦めました。
今回はベルリンで実用的なナパトマンとビレボイボッホを買い足しましたし。今はこれでいいかな。
こちらは正規品の直営ブティック。もう素敵すぎてため息…。そして、ぶつけたり落としたりして、壊すんじゃないかとヒヤヒヤしてお腹も痛くなってきた(笑)
※買っちゃおうかしら…と心がぐらついた、カラスさんたち。カラスのパン屋さん(かこさとし著)みたい。でも104ユーロ…。
やっぱり工場見学っていいですね。子供のときからいつもワクワクします。私は静岡県出身ですから、ハウス食品(袋井工場)でとんがりコーンもらったり、明治製菓(島田?工場)でチョコレートをもらったりしたなぁ。食べ物系ばかりが記憶に残っています。
スズキ自動車にも行ったけど、自動車には昔から興味がなかった(笑)
ドレスデンから電車に揺られて40分程。なかなか良かったです。宿泊している街を拠点に小旅行っていいですよね。
また、マイセンには空爆がなく、街並みもそのままだそうです。
今はシーズンではないので、ファクトリーミュージアムとアルブデヒド城を繋ぐバスは出ていませんが、4〜10月には運行されているそうですよ。
それでは。
おまけ☆
ファクトリーミュージアムには、カフェが併設されていて、訪ねられた方のブログでは、マイセンの素敵な食器でサーブされると書いてあったんです。結構、お茶する時間を楽しみにしていたのに、一応、ロゴは入っているものの、食洗機で洗える丈夫そうなカフェ食器で運ばれてきて、大ショック…。
皆はブルーオニオンのカップだったのに。。。改悪ですよ。
お茶の値段、上げてもいいですから、そんな夢のないことはしないでいただきたい。。。