プロヴァンス旅行記③ローマ遺跡と画家が夢見たユートピアの面影を巡る in Arles!
こんにちは。
久しぶりの病院受診で体重を測定され、目が点になったyamakoです…。
勿論増えていましてね、はい。これが走り込み期のランナーの体重なのか…真剣にやばいです、はい。
昨日は焼け石に水だと思いながらも、セントラルパークを私的ハイペースで夕ランしてきました…ホントに焼け石に水…。
それにしても日が落ちるのが早くなり、夕焼け色がより赤く綺麗になってきましたね。
さて、今日はプロヴァンス旅行記③です。
ポン デュ ガールをあとに、次の目的地にまた車を走らせます。(夫がね)
この日に宿を取っている目的地はArles(アルル)。だいたい1時間ちょいのドライブでしょうか。
プロヴァンス全体は、大体関東平野程度の広さなので、レンタカーで回るのも割と苦にならないと思います。
アルルはもうスペインに限りなく近く、フランスよりもスペインの文化の影響が色濃く、なによりローマ帝国の遺跡が街中の至る所に残されており、街全体が世界遺産として登録されているのです。(1981年登録)
駅からほど近いラマルティーヌ広場奥のカヴァルリ門から街に入ります。
真っ直ぐに進んでいくと見えてくるのが、、、
ローマ時代に2万もの観客を集めたという、円形闘技場!
このフランス最大の円形闘技場では、在りし日、血生臭い闘牛が行われていたわけですが、現在も春と秋には闘牛フェスティバルが催され街の風物詩となっているとか。
ちょうど私達が訪れた週の終わりにフェスティバルだったようで、こんなポスターが飾られていました。
スター牛…??
巨大な闘技場は上階部まで上がれば、強い風が吹いていて体ごと煽られる。
そしてなにより圧巻だったのが、ローヌ川に向かい(門から歩いてきた方向)広がるアルルの街並み!!
素晴らしい眺望でした。
♪〜 まちーなみー見下ろーすのさ〜♪1番高い場所で〜♪
知っている人いるんだろうか…ハウス名作劇場中の名作『ロミオの青い空』のOPテーマ曲です。
注意)ロミオはイタリア、ミラノです。。。
思わず唄い出す私。そうこれがアルルで1番高い場所なのです。
それにしても夕方5時にもなろうというのに、変わらずに地上を焼きつけるような強い日差し。
そう、この強い光がこのアルルの街を、街のそばを流れるローヌ川をより魅力的な姿にしている正体。
そしてこの色彩を求めてやってきたのが、あの炎の画家、ゴッホなのです。
ゴッホもこちらの円形闘技場での闘牛を描いています。
『アルル闘技場』(ロシア、エルミタージュ美術館蔵)
今回、私がプロヴァンスに足を運んだ大きな目的の一つが彼が南仏の地でみた風景を辿るというもの。
覚えている方もいるかと思いますが、今年の4月、ロッテルダムマラソンに出掛けた際、アムステルダムにも立ち寄りゴッホ美術館に行ったんですよね。
そこで『アルルの家』という1枚を見て、ぼんやりと南仏に行こう、アルルに行こう、と思ったんです。
特にゴッホファンでもないんだけども(笑)
オランダ生まれ、パリの灰色の世界に絶望していた彼はこのアルルの地に画家たちと小さな共同社会を建設することを夢見ていて、つまりはユートピアを掴みたかった。
しかしながら、結果はみなさんよく知るように、唯一賛同してくれたゴーギャンとも上手くいかず、発狂の末、自身の左耳を切り落とすという、最悪のもの。
それでも2年のアルルの暮らしでは300点近い作品を残しています。
中でも1番有名なのが、こちらを舞台にした1枚でしょうか。
『夜のカフェテラス』(オランダ、クレラーミュラー美術館蔵)の舞台となったフォーロム広場にあるファン ゴッホ カフェ。
ただし、まだ“夜の”ではないから、街をひとまわりしてディナーをしてからもう一度行くことにしよう、とディナータイムまで暫しの散策を。
アルルはローヌ川のほとりに広がる小さな街。
その河川敷ほど近くには、コンスタンティヌス共同浴場の遺跡。これがリアルテルマエロマエだわ。
かつての高級社交場だったこの場所は今はのらねこちゃんたちに占拠されている模様でした。
夏公園。こちらでも『公園の入り口』(ワシントンDC、フィリップコレクション蔵)を描いています。
そして公園内のゴッホの像。
左耳が無い。。。
アルルの街はこじんまりとしていて、半日もあれば十分な大きさでした。
ただ、この日、困ったのは夕ご飯。
こんな世界遺産の街、観光の街にもか変わらずに、日月曜日休みのレストランがなんと多いことか。ちゃんとお休み取るんですよね。。。
完全になめてました、ハイシーズンじゃあるまいし、どこでも入れるでしょうよ、と。
辛うじて空いていたお店に予約なしで入るも、一杯だと断わられる…。
アルルはだいぶ海にも近いので、名物の魚介のスープが美味しいというレストランに行きたかったナ〜。
結局なんとか入れたレストランで魚介のスープもいただき、そちらが普通に美味しいものだったので、ますます悔いが残りました…。
※いただいた魚介のスープ。お魚の骨までミキシングしてあり旨味たっぷり。チーズとアリオリソース(マヨネーズみたいな)添え。
さてと、夕食後に改めて。。。
『夜のカフェテラス』。
強烈な昼間の太陽が沈んで、カフェの黄色い壁が光のごとく浮かび上がっていました。
そして最後に。
私をこのアルルの街に引き寄せた『アルルの家』(オランダ、ゴッホ美術館)。舞台となったのは、街歩きの始点となったラマルティーヌ広場にあった彼の暮らした家。
この1枚にこの地まで連れてこられたといっても過言ではないのに、今は何もなく。。。
1944年、戦時下の爆撃で破壊されてしまったとのこと。
それにしても凄いですね、百数十年後の人間を彼の地まで連れてきてしまう1枚。
続きます。
それでは。